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味覚データからみた 「コク」 の味わいとは ~  

濃い深い味わいのことを 「コク」 と表現されることがよくあるが、普遍かつ明快な定義からの、基本味質として提唱されている酸、甘、苦、塩、旨味や渋味感覚と異なり、「コク」 は各基本味の強度およびこれらの持続性に由来する後味で説明されることが多く、官能特性としての表現という側面が強いと考えられる。以下に味覚 DB を用い、「コク」 訴求商品の特徴について紹介する。

「コク」 の表現が多用 コーヒードリンク

「濃い深みのあるうま味。主として飲み物についていう (大辞林)」、「酒などの深みのある濃い味わい (広辞苑)」と説明されている「コク」。
図1 に商品名に「コク」を使用した商品のアイテム数※を示すように、コーヒードリンク(缶コーヒーなど)では商品名に「コク」を訴える商品が多くみられることがわかる。
同カテゴリーは豆の焙煎、抽出方法や乳製品素材の使用などによる「コク」を味わいの特徴とする工夫を一般消費者にも比較的にわかりやすく伝えられた結果といえよう。一方、ビールやお茶などのカテゴリーでは「コク」が重要な官能特性でありながら、商品名にコクを訴える商品アイテムは少なかったことから、これらのカテゴリーにおいては、「コク」 における商品のさらなる差別化の余地があるとも考えられる。

図1 商品名に 「コク」 を使用したアイテム数 図1
商品名に 「コク」 を使用したアイテム数
清冽なコク 「キリン・コクの時間」 
 

図2 にビール類商品の呈味バランスを示す。「キリン・コクの時間」 (図3 黄色塗りつぶし)はビール類商品平均(図2)より味の輪郭が強い軸も見られ、しっかりとした飲み口を有することがわかる。
「コク」 を構成する旨味、塩味、甘味や甘味などの軸を分けてみてみると、同商品は 「キリン・ラガー」 と同程度の旨味、旨味コクを持ちながら(図3 赤点線円)、相対的に弱い塩味、苦味の後味(茶色点線円)を示すほか、 「キリン・ラガー」 より強い甘味(ピンク色点線円)、酸味推定値(グリーン点線円; キレに寄与)を有することから、コクがあるのに後味が引き締る特徴をうかがうことができる。

図2 ビール類の呈味バランス ビール類商品平均 図2 ビール類の呈味バランス
ビール類商品平均
図3 ビール類の呈味バランス キリン コクの時間など 図3 ビール類の呈味バランス
キリン コクの時間など
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