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カップうどんの出汁!価格帯がその特徴を決める!

即席めんはラーメンだけでなく、うどんも人気が根強いカテゴリである。うどんはラーメン同様、その土地の文化やこだわりが強い物と考えられ、商品によっては出汁の地域性もあり、その地方ごとに合わせられた味付けで製造されている。また関東、関西の区分だけではなく、地方限定商品も数多く存在する。味の決め手となっている出汁の特徴を考察した。

出汁の特徴

図1は横軸に旨味のインパクト(旨味(先味))、縦軸に旨味の余韻(旨味コク(後味))を用いた市販商品9品の二次元散布図である。マルちゃんの「赤いきつねうどん」を基準とし他商品と旨味の特徴を比較した。右下にある日清の「御膳きつねうどん」は飲んだ瞬間の旨味のインパクトが強く、旨味の余韻が控えめである。一方、左上にあるサッポロ一番の「肉うどん」、マルちゃんの「四季物語うどん」等は旨味のインパクトが控えめで、旨味の余韻が強い。このことから、うどんの出汁の旨味の先味と後味のバランスは先味が強い物、後味が強い物、それらの中間に分かれる。この特徴はメーカーの各製品のウリの一つだと考えられ、これには価格との関係も考えられる。

図1
塩味と価格

図2は横軸に値段【小売価格】、縦軸に塩味を用いた市販商品9品の二次元散布図である。これを見ると、価格の高い商品ほど塩味がやや控えめである。例えば、日清の「どん兵衛きつねうどん」は塩味がやや控えめであり、低価格なトップバリュの「きつねうどん関西風」は塩味が強い。塩味が控えめな商品ほど、昆布や魚由来の出汁の配合が多い商品だと考えられる。マルちゃん「四季物語うどん」は期間限定商品ということもあり、今回測定した夏限定のトマト仕立てのカレー風味は、レギュラー品とはやや違う味の趣であり、値段に相応したこだわりの商品であると考えられる。

図2
価格が異なれば味バランスも異なる

図3は日清の「どん兵衛きつねうどん」と「御膳きつねうどん」の味バランスを、市販商品の9品を標準化し、レーダーチャートとしたものと比較したものである。同じメーカー同士でも価格帯により味の特徴は大きく変わっていることが分かる。「どん兵衛きつねうどん」は旨味のインパクト・塩味は平均的で、旨味の余韻や醤油等のコクも感じやすい。一方、「御膳きつねうどん」は、旨味のインパクトや塩味が強く、旨味の余韻は抑えられた設計である。 このように、原材料の違いなどが価格や味わいに影響していると考えられ、コストと売上高、製法の工夫なども考慮した上で、品質とコストパフォーマンスとを両立させた戦略が、今後益々重要になってくると考えられる。

図3