味トレンドレポート・番外編「味」への好奇心旺盛な社員が、とっておきのトピックをお届けします!

これもラー油!?多様性を見せる「食べるラー油」の派生商品

  食べるラー油ブームにより、にわかに脚光を浴びた調味料カテゴリ。ラー油だけではなく様々な商品にまで影響を及ぼしたが、一時の熱狂的な盛り上がりは落ち着き、安定期に入った感がある。一方で、第二第三のブームを生み出すべく次々と派生商品が発売されているが、それら各商品の違いはどこにあるのか。今回は派生商品のいくつかを紹介したい。

共通するのは辛さ控えめ

  下図は食べるラー油とその派生商品の「香辛料の印象」「具材の味の濃さ」「旨味のインパクト」「しょっぱさ」「旨味の余韻」について、ヒット商品である桃屋辛そうで辛くない少し辛いラー油を平均値としたときの各商品の味の違いを示したレーダーチャートである。前回のトレンドレポートと比較すると、各商品の味の違いが顕著に現れている事がわかる。
  それぞれの商品が特徴のある味を持っており、同じものは2つと無いが、今回分析したサンプルにはある共通する傾向が見られる。それは香辛料の印象の低さであった。香辛料の印象には唐辛子の辛さ以外の要素もあるが、それを含めて全体的に刺激が低い商品が多くなっている。特にS&Bごま油香るうま焦がしにんにくなどは、香辛料の印象が非常に低く、食べるラー油派生商品というより別の調味料カテゴリの商品といっても過言ではない。

図1
辛さ以外の素材の味で勝負

  では何故、食べるラー油としての「ラー」を減らす、ある意味王道の味から外れるような味の開発を行ったのだろうか。辛さを抑える理由としては、素材の個性を引き立たせる為であると推測される。辛味は食欲増進効果があるため嗜好性が高く、病み付きになる味の反面、少量でも口中全体に広がり、味の持続時間も他の味要素と比べて長い。また、辛さはその味の強さにより、他の味の印象を希薄にしてしまう。実際にブームとなった食べるラー油も、他の食材の味をあまり隠さない「チョイ辛」というのがヒットした理由でもあった。
  食べるラー油として更なる商品開発を行うにあたり、食感やその他の味の個性を引き立たせるために、あえてラー油の辛さを減らす必要があったのではないだろうか。こうして得られた素材の味が表現できる余地に、より個性的な具材の味を加えて出来たのが今回紹介したラー油派生調味料だと推測される。
  この推測が正しいかどうかは、実際に商品を召し上がって評価していただきたい。