〜カフェラテに求めるものはコク、濃厚さとリラックス〜
味や香りを科学的な手法で分析、評価する株式会社 味香り戦略研究所(本社:東京都中央区/代表取締役:小柳道啓) は、店頭で淹れたてが飲める「カウンターコーヒー」の流行を背景として、“カフェラテ”メニューが大手各コンビニチェーンに投入されたことから消費者の意識調査を実施しました。
[調査実施期間:2015年 5月 20日〜27日/調査対象:全国の 20代〜80代の成人男女 638名(男性:女性=3:7)]
結果から、カフェラテは消費者の嗜好性が高く、味を重視する傾向がみられました。特に、味はミルクとコーヒーが織りなす複合的な“コク”や“濃厚さ”のあるものを求める消費者が多数でした。またカフェ形態型のカフェラテはカウンターコーヒーからの派生商品であり、販売形態の特性上、様々な商品との組み合わせが楽しめ、記憶に新しい“カウンタードーナツ”との新たな相乗効果も期待されています。今後予想されるコンビニカフェラテの浸透、そして既存チルドカフェラテの取り扱い、さらには店舗内飲食スペースを兼ね備えた業務形態が増えることが予想されます。特にコンビニは、立派なカフェスポットでもあり、 よりコンビニエンスに進化を遂げていることが示唆され、今後も注目が集まりそうです。
サマリー
■コーヒーとミルクによって生み出される”コク”にゆっくりとした休息を求める
- カフェラテに求める重要要素は味。
- 味はミルクとコーヒーが織りなす複合的な“コク”があるものを求めている。
- 飲用シーンはゆっくりとした時間をとる“休息”を想定し購入している。
■カフェラテを買う場所は今、拮抗状態。コンビニでカフェラテを選ぶならカフェ形態品を選ぶ傾向
- 購入場所はコンビニ 29%、コーヒーチェーン 27%、スーパー19%、喫茶店 11%、ファーストフード 10%。
- コンビニで市販のメーカー品(チルド品等)と、店頭カフェ形態で商品が購入できる場合カフェ形態品を選ぶ方が 57%。
■コンビニカフェラテのお供に新顔のコンビニドーナツ!既存品との相乗効果や、消費者の期待も高い
- カフェラテに合わせたい食べ物にサンドイッチ、次点に菓子パンを抑えてドーナツ。
- 購入適正価格は 58%が「100円以上 150円未満」、次いで 13%が「150円以上 200円未満」
- コンビニコーヒーのコーヒーやミルクなどの原材料に、こだわり品、限定品を用いた高価格帯製品があった場合、「購入したい」が 26%、「どちらかといえば購入したい」が 37%と消費者の期待は高い。
■各社カフェ形態品の味の違いは「苦味」と「余韻」
- セブンイレブンは濃厚さが特徴で、全体的に味がしっかりしていながらも後味は控えめ。
- ローソンについてはコーヒー専門店の平均と類似。飲んだ瞬間のインパクトは相対的に控えめでまろやか。
- ファミリーマートについては苦味、マイルド感が強く、ミルク感や余韻は控えめ。
コーヒーとミルクによって生み出される”コク”にゆっくりとした休息を求める
一般調査では、20代〜80代の一般男女 638名を対象に実施し、カフェラテ全般に対する調査を行いました。
まず、カフェラテそのものについては【好き】が 73%、【どちらかと言うと好き】が 22%という結果【図1】となり、今回の調査では 90%以上でカフェラテについては好意的あることがわかりました。
続いてカフェラテを選ぶ基準【図2】について複数回答で聞いたところ、「ミルク感」・「コク・余韻」・「クリーミーさ」・「コーヒー感」・「甘味」という味に関する事項が上位5項目 (各項目全体の3割以上の回答率に相当)を占め、次いで「価格」という結果になりました。それ以降はカフェラテの“中身”に対する回答が多数となりました が、注目すべき点はブラックコーヒー特有の項目「焙煎感」を境界に回答数が減少することです。これらのことから消費者はミルクに由来するであろう「コク・ 余韻」・「クリーミーさ」や、ミルクとコーヒー(エスプレッソ)のバランスの象徴である「コーヒー感」を 求め購入を検討していると考えられます。また以前の自主調査(2015年4月)においても“コク”を重視した消費動向は続いていると予想され、コーヒー (エスプレッソ)由来のコク、ミルク由来の乳脂肪や乳タンパク質、乳糖などによるコクが考えられ複合的なコクが消費者からの支持を得られているのかもしれません。
またカフェラテを飲むシーン【図3】を聞いたところ、「ゆっくりとリラックスしたいとき」が多数の回答を占めました。回答率は下がりますが「気分転換をしたいとき」・「休日」・「独りでくつろぎたいとき」などの項目が続き、“ゆっくりとした休息”を想像させる時間的要素やシーンが読み取れるのではないでしょうか。
カフェラテを買う場所は今、拮抗状態。コンビニでカフェラテを選ぶならカフェ形態品を選ぶ傾向
カフェラテ購入場所について【図4-1】複数回答調査を行いました。またコーヒーチェーン店・喫茶店・ファーストフードなどの店舗内消費が多いと思われるものとコンビニ・スーパーマーケットの持ち帰り消費が多いと思われるものを分けて合算し比較【図4-2】してみると、双方同じ程度の回答率となりました。今後予想されるコンビニカフェラテの浸透、チルドカフェラテの取り扱い、さらには店舗内飲食スペースを兼ね備えた業務形態が増えることが予想されるコンビニは立派なカフェスポットと言えるのではないでしょうか。
そんなコンビニのカフェラテの購入頻度【図5】について調査を行ったところ「月に 3、4回(週に1回)以上」購入している層は 44%でした。さらにコンビニで市販のメーカー品(チルド品等)と、店頭カフェ形態で商品が購入できる場合【図6】カフェ 形態品を選ぶ方が 57%とやや多く、カフェ形態品の今後の伸び代は大きいと推測できます。
コンビニカフェラテのお供に新顔のコンビニドーナツ!既存品との相乗効果や、消費者の期待も高い
昨年より続々と大手コンビニに導入されたコンビニドーナツ。コンビニでカフェラテと一緒に購入する食材を尋ねたところ、その話題性も記憶に新しいためか菓子パンを抑えサンドイッチに並ぶ勢いです【図7】。また、コンビニカフェラテの適正価格【図8】については 58%が「100円以上 150円未満」、次いで 13%が「150円以上 200円未満」であり、現時点での各コンビニの Mサイズの実売価格はセブン-イレブン 180円(税込)、ファミリーマート 180円(税込)、ローソン 150円(税込)となっており、価格についてはローソンがエンドユーザーの希望の範囲で提供をしていると言えます。今後、コンビニコーヒーのコーヒーやミルクなどの原材料に、こだわり品、限定品を用いたワンランク高価格帯製品がある場合購入したいかどうか【図9】を調査したところ、「購入したい」が 26%、「どちらかといえば購入したい」が 37%であり、今後のコンビニカフェラテの拡大への期待感の表れとも言えるのではないでしょうか。スターバックスのカフェラテはショートサイズ(240ml) 356円(税込)・トールサイズ(350ml) 399円(税込)であり、コンビニコーヒーやチルドコーヒーの 2倍以上の値段ですが、空間の提供や専門性がもたらす安心感・満足感の価値の提供が含まれたものと推測できます。一方でエンドユーザーのニーズも多様化しており、安価で気軽にいつでも購入でき、様々な商品も取り揃えている“コンビニエンス”の魅力というものにもさらに注目が集まりそうです。
各社カフェ形態品の味の違いは「苦味」と「余韻」
コーヒー専門店 4社(スターバックス、ドトール、ベローチェ、タリーズ)のカフェラテ平均値をゼロとして大手コンビニ 3 社のカフェラテの味わいを【図10】に示しましたが、それぞれに特徴を持っていることがわかります。セブンイレブンは濃厚さが特徴で、全体的に味がしっかりしていながらも後味は控えめ。それほど後を引かないことから飲み飽きない味わいと言えます。ローソンについてはコーヒー専門店の平均と類似した味わいですが、先味系についてはやや控えめ。飲んだ瞬間のインパクトは相対的に控えめでまろやかですが余韻は比較的しっかりしており、味の持続感が満足感に繋がる可能性も考えられます。ファミリーマートについては苦味、マイルド感というカフェラテの味の輪郭を成す要素が強めですが、ミルク感や余韻は控えめでした。
商品開発スピードが速く競争が激しいカテゴリーですが、今後各店から、どのような味わい、コンセプトの商品が発売されるのか消費者の関心はいっそう高まることが予想されます。
■調査実施概要
調査名「カフェラテに関する実態調査」
調査対象者:全国の男女、20歳〜80歳男女
調査方法:インターネット調査
調査実施会社:総合商研株式会社
調査実施機関:2015年 5月 20日〜27日
・味覚センサーでの分析は味香り戦略研究所の自主調査によるものです。
味香り戦略研究所について
味覚センサなどによる食品の味の数値化がコア技術。
2004年9月の設立以来、蓄積した12万アイテムを超える味データなどをデータベース化し、商品開発や品質管理、売場づくりといったコンサルティングを行うほか、独自のノウハウを基に味にまつわるセミナーや講演活動を行い、食品産業の発展に貢献しています。
【URL https://www.mikaku.jp/】
本件に関する報道関係者 お問合せ先
株式会社味香り戦略研究所 早坂、高橋
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