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自主研究

2022年のボジョレーヌーボーは「控えめ」
渋味の余韻が短いすっきりとしたバランス

味香り戦略研究所では、創業(2004年)以来15年余りにわたり、毎年解禁日に合わせボジョレーヌーボー(以下BN)の代表製品の味覚分析を実施しています。

2022年のボジョレーヌーボーは干ばつや気候に左右されていましたが、それらを奇跡的に回避し、ぶどうの成長・収穫に喜びの声が散見されています。一方で、世界情勢の変化もあり、輸送費のコストを抑えるため船便を利用したり、PET容器を継続する動きがみられます。また、解禁日以降も12月まで特設の販売コーナーを設けるなど、売り方にも工夫を凝らしていく量販店があるようです。新酒を飲んで祝うことは世界各国で行われ、ブドウの品種や地区の枠を越えたフランスのヌーボーワイン、イタリアのノヴェッロ、季節が真反対のオーストラリア、日本各地の新酒なども幅広く国内で手に入れることができます。

まずはBNの代表銘柄「ジョルジュ・デュブッフ」の味わいをご覧ください。【図1】

【図1】ジョルジュ・デュブッフBN2022年味バランス(標準化)と類似年度
※06〜22年の平均値を100%としたときの値。約20%の差で大多数の人が有意差を感じる程度。

【図2】ジョルジュ・デュブッフBN 酸味・渋みの変化

2022年の特徴は、昨年と比べるとキャラクターはかなり控えめです。ここ17年間のボジョレーヌーボーの味覚データから平均的な酸味と渋みであることが分かります【図2】。また複雑さやボディ感も平均的ではありますが、渋みの余韻は短く、すっきりとした口内感覚を感じると考えられます。ワインの苦手な方でも楽しめる味でしょう。似ている味の年は2008年ですので久しぶりの味わいと感じるかもしれません。

【図3】2022年市販品の味わい分布

【図3】には市販品の測定データを示しました。アルベール・ビショーやラブレロワは酸味もしっかりしており果実味を強く感じ、アンリフェッシはより穏やかな味わいです。

味香り戦略研究所について

味覚センサなどによる食品の味の数値化がコア技術。
2004年9月の設立以来、蓄積した12万アイテムを超える味データなどをデータベース化し、商品開発や品質管理、売場づくりといったコンサルティングを行うほか、独自のノウハウを基に味にまつわるセミナーや講演活動を行い、食品産業の発展に貢献しています。
【URL https://www.mikaku.jp/】

本件に関する報道関係者 お問合せ先

株式会社味香り戦略研究所(研究開発部 髙橋)
TEL 03-5542-3850 / FAX 03-5542-3853